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第51話【元日に】

第52話【追悼 旺】
第53話【N700A新幹線電車・副反応?】

   

 

 

第51話【元日に】

新年明けましておめでとうございます。

今年は元日のみ仕事から離れることにして全く何もしない呑んだくれの1日を過しました。
実は起業以来、まるまる仕事から離れる日など身内の冠婚葬祭以外にありませんでしたので、たまにはと例年の新年のご挨拶メッセージ掲示のためのHP更新作業も取りやめて、文字通り一切仕事から離れてみたのですが、サラリーマン時代の休日なら勇んで組レールを敷設して運転会になだれ込むはずのところが(鉄道模型に親しんで来られた方なら容易に想像がつくかと思いますが)案外デリケートな代物の模型をこれだけ長い期間走らせていないともなると、そのぶん数々の運転トラブルに見舞われそうな気がして来て泣く泣く思いとどまった次第です。ここ数週間の年末から続く手作業に頼る部材の切削加工で被った手指の腹へのダメージも少しは癒えたところで2日より平常運行を再開し最早お正月気分も抜けつつあるところです。

ところで、丁度9年前のコラムの第17話で、久しくお目にかかれて居らず心底忘れられない思い出の駅弁のお話しを記しましたが、実はその数日後にたまたま閲覧していた「○○経済新聞」という全国各地で各々に地域に密着した情報を提供するWEBサイトの「阪神百貨店駅弁まつり開催」の記事(会社勤務時代にシステム関連でお世話になったお会社の社長さんの執筆)で、偶然「駅弁まつり」でも折尾のかしわめしが買えるという事実を知り、以来阪神百貨店の「駅弁まつり」は毎年出掛けるお楽しみの催事となりました。

「駅弁まつり」といえば以前は会社の帰りなどにちょっと寄るだけでしたので、その時点で売り切れていたら販売されていたことにさえ気が付かずに過して来たという訳です。
さあ仕切り直し!と初回のお祭り詣では、開店時刻前に阪神百貨店の前で待機することにして、寒々とした朝の梅地下の阪神前に案の定に既に出現していた会場入りの行列に、行列嫌い乍ら大人しく並んだお陰でお目当ての折尾駅東筑軒の「かしわめし」と感動の再会を果たし、帰宅して早速に食すと、付け合わせに至るまで昔と何も変わらない内容と、とびきりの旨さに感激しつつ味わい尽くし倒した次第です。

例の外付HDD破壊によって撮り溜めていた駅弁の画像も全て失い、下の画像は昨年購入時のものです(デジカメのストレイジにデータが残っていました)↓


当日の会場では更に、これも懐かしい(鉄ちゃんの間では「かしわうどん」で有名な)鳥栖駅中央軒の「焼売」を見つけたので即買いしたのですが、子供の時分にも何故なのか急に不味くなる時期が繰り返されていましたのでちょっと心配だったのですが、残念ながら美味しく無くなってしまっており、翌年会場からも姿を消してしまいました。

この9年を振り返っても、東京日帰り出張の帰路で散々お世話になり倒した崎陽軒とともに不動の人気なのが、ご周知の通り宮島口駅うえのの「あなごごめし」と言えますが、私自身はこれほど有名になるずっと以前の小学生時分に山陽路を旅した際、小郡(今の新山口ですね)駅から(不覚にも列車名を忘れてしまいましたが)非冷房の471系でユニット窓全開の瀬戸内の車窓を満喫して到着した宮島口駅で初めて出会い、その旨さに感動して以来めちゃめちゃファンなのですが、毎年の「駅弁まつり」会場では「あなごめし」目当てのなかなかに殺気立った集団が怖過ぎるのと、なかなかのお値段ですので薄給の自身には分不相応と購入を慎み続けて来ております。

「あなごめし」はブースでの数量限定実演販売、「かしわめし」の他、数種の人気駅弁は「輸送駅弁」と称していて、店頭には並ばず販売当日の朝伊丹に空輸されて、11時半頃会場に到着したら専用コーナーで手渡しで販売されるという仕組みで、いずれも先に整理券の入手が必須となり、整理券の配布方法や場所などは阪神百貨店の改装工事とも重なって少しずつ変化しましたが、2019年からでしたか、遂に「あなごめし」と「輸送駅弁」の整理券の配布は会場の外の地下広場のような所に変更され、先ずはそこに並んで整理券を受取るまで会場に入れないという新たな難儀が生じ随分とストレスが溜まりました。翌年今度はいつもの時間に並んでいたのにあと十数名のところで肝心の「かしわめし」が売り切れてしまうという、コロナ禍が忍び寄る中、恐る恐るに祭り詣でを敢行したのに収穫無しという大惨事に見舞われてしまいました。

どうやら知らぬ間に「かしわめし」人気も高まっているのかなと、今年は値上がりしましたが、それでも税込815円はまだお手軽に楽しめる範疇なのかなと思います。 昨年からコロナ対策で「駅弁まつり」も、ネットで事前に受取日を指定する予約販売が開始されていて(今年ももう始まっていますが)早目のアクセスを心掛けて居さえすれば、コロナワクチン接種のネット予約の時ような繋がらない取れないなどというストレスもありませんし、予約した指定日の指定時間帯に会場に行けばスムースに受取れますので実に快適です。

それはそれとしてなのですが、以前は「輸送駅弁」が到着する11時半が迫るとまだ仕上がっていない状態の受取コーナーの最寄りで整理券を手にした行列が出来始めるのが常で、行列嫌いの私もまた気がはやってしまい11時前には早くも先頭集団の列に加わっておりました。
そんなことを何年も繰り返すうち気が付けば、お互い「かしわめし」を買い求める顔なじみの同志のような関係性が生まれて「ことしも来ましたね。お元気そうで」といった会話を交わすお馴染みさんが増えると、「会場のどこそこの漬け物屋が旨い」だとかを教えてくれたり、ある年には空輸されて到着した駅弁の仕分けに戸惑う店員さんに向かって、段ボール箱に貼られたラベルを一見しただけで「これはどこそこのなになに」と指示?を出す実に変わったというかマニアックな若い兄ちゃんが現れたり、いつだったかは先頭の老紳士が店員さんに整理券の束を差し出し「かしわめし11個」と伝えた瞬間に「おおー」っと拍手が巻き起こったりしていましたので、人との距離が益々希薄となる今日に於ける案外と捨て難いこうした触れ合いも消えて若干寂しい気も致します。

余談ながら、コラム17話でもうひとつ話題にていた淡路屋の「松風」(通称しゃぶしゃぶ弁当)が、この9年の間に1度だけ三宮そごう(現、三宮阪急)の淡路屋店頭に出たことがあって逃さず買い求めたのですが、かつての輝きは見事に失われておりました。淡路屋の他の商品にも共通しますが、そもそも弁当の器に調湿機能に優れた経木を使わなくなった点が最大の過ちと、先頃崎陽軒と姫路のまねきのコラボで誕生したまさかの西の「シウマイ弁当」も開発の際に崎陽軒の示した一番の条件は「容器には経木を使うこと」だったそうで、やはり流石です。
淡路屋の駅弁で辛うじてクオリティーを維持しているのは「ひっぱりだこ飯」くらいに思え、定番の「牛めし」の味でさえ落ちたと感じざるを得ず、食堂車も消えて久しく列車旅の食を支える駅弁大好物の鉄ちゃんとしても長年の淡路屋ファンとしても、アイデア豊かな若社長率いる伝統の淡路屋さんの是非ともの奮起に期待したいところです。
(2022.01.03wrote)

 
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第52話【追悼 旺】

私事になりますが、弟夫妻の長男で私の甥っ子にあたる和田旺(ひかる)が先月3月31日永眠しました。(享年30歳)

乳幼児期より原因不明の足指の変形を発症し、度々の手術を乗り越えて病名が判明したのは小学校に入学してからのことでした。全身の筋繊維がゆっくりと骨化して徐々に運動機能・身体機能を奪ってしまうという、当時国内で10例・アメリカでも80例ほどの症例しか確認されていない、要因も・いつどこにどう発症するのかもわからない・効果的な治療法も未だに確立されない難病でした。

彼は私同様生まれながらの鉄ちゃんで、動かすことが出来た指先で器用にデジカメを操り鉄道を撮影していましたし、旅好きの鉄ちゃんでもある父親(私の弟)のお陰で鉄道旅にも度々出掛け、私も羨ましく思うような今時の列車にも沢山乗車し、勿論模型(Nゲージ)愛好家でもありました。

東京生まれの東京育ち・住まいは小田急沿線ながら彼は実は阪急電車の大ファンで、もう5〜6年前になるかと思いますが、遠路遥々阪急電車を堪能しに母親とふたり電動車椅子と補聴器で武装した旺が久々に会いに来てくれてひととき楽しく鉄談義に花を咲かせたのが結局最後でした。

師匠と慕われた私が彼について最大に強く思うことがひとつだけあって、それは両親から聞いた話しでも同様なのですが、生前彼の口から人を非難するような言葉を一言も聞かなかったことです。元々温和な性格なのですが、自身の境遇を嘆いたり人や社会を恨んだり妬んだりするような言動は一切ありませんでした。自身に置換えるととても真似の出来ない立ち振る舞いは、誰に似たのか唯唯恐ろしいほどの人間力の持ち主の裏付けであることを痛感させられます。

鉄道関連の仕事に就く事がやはり彼の夢だったようですが、治験を繰り返しながら支援の輪の元、小・中学校を無事に卒業し高校は不本意ながらの支援学校でしたが、そこで出会った障がい者スポーツのハンドサッカーにのめり込み、主将となり全国制覇したことで生き甲斐の1ピースとなったようで大学卒業後はハンドサッカー協会の理事として活躍しました。

4月4日の通夜・5日の告別式ともに生前交流のあった多くのみなさんがお別れに来てくれて、勿論本人の人徳であることは明白ですが流石SNS世代の旺の交友関係の幅広さにも圧倒されました。
出棺に際しての花入れセレモニーが始まると棺はみるみる全国各地の鉄道写真で埋め尽くされ、加えて現役のJRの運転士さんが持参されたお宝の「サンライズ瀬戸・出雲」のスタフも収まり、スポーツ関連のアイテムも含めて旺らしい設えになればなるほど、今思い出しても悔しさが募り涙が滲みます。
因にうちは奥さんチョイスの国鉄時代の6000形コンテナの精緻なイラストが配された付箋セットと男前の旺に相応しいノイマイスターデザインの伊達男500系新幹線を陶器で再現した淡路屋の山陽新幹線岡山開業50周年記念駅弁を祭壇に飾り、中身だけ棺に添えて食べてもらうことにしました。

斎場で旺の両親と再会し立ち話をしていて初耳だった事が2つあって、ひとつは本人は最後の最後まで完治を諦めていなかったことでした。私自身もIPS細胞の実用であったりサイエンスの進歩により必ず克服すると信じていただけに残念でなりません。

もう1点は旺が可成りヘビーな駅弁マニアだったことで、お母さんは旺のリクエストで京王百貨店(関東はデパートと称する場合があるので念のため調べると京王は京王百貨店が正式名称でした)で開催される駅弁大会に並んでお目当ての「うえののあなごめし」を毎年買い求めていたそうです。

駅弁大会は毎年1月中旬に「京王百貨店」での開催が終了すると、次の会場となる「阪神百貨店」へ移動してほぼ同じ内容で開催されますので、私はよく京王百貨店の情報を参考にするのですが、今年は京王で評判の良かったこの季節でしか販売されない富山駅「源」の「ぶりかまめし」を試してみるとこれが異常に旨くて、行列も無かったですしもう一度買いに行きたくなりましたが懐に余裕なく贅沢は禁物と泣く泣く諦めた次第です。
東京の和田家では大抵2度ほど出向いていたとかで旺は本当に駅弁が好物だったことが伺えます。

葬儀を終えて東京から戻るや夕食に久々の崎陽軒の「シウマイ弁当」を、駅弁マニアだった旺を改めて偲びながら味わい尽くしました。

合掌。

(2022.04.10 wrote)

 
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第53話【N700A新幹線電車・副反応?】

勝手ながら気持ちの整理を付けるためにも前話は私事に終始しましたので続けて今回は鉄分多めのお話です。

この度の甥っ子葬送にて4日・5日と新幹線で東京往復致しましたが、実は訃報が届く前、ようやく6ヶ月経過をクリアしたタイミングだったため3回目のワクチン接種予約をしようと、当初週明け4日を心積もりしながら予約画面を開くと、今回は1・2回目予約時と全く異なり余裕の空き状況だったため、虫の知らせだったのか週中が良いかと6日を予約していたため支障なく接種を済ませましたが、因に私は3回ともモデルナで、お客様や周囲の方々から様々に耳にする副反応については、1回目は接種部が数日に渡り腫れて決まった箇所の頭痛が3週間程度続いた程度で済みましたが2回目はありとあらゆる症状に見舞われて2日寝込み死ぬかと思いました。そして覚悟して臨んだ今回の3回目は1回目同様接種部は腫れましたが頭痛も無く結果的に最も楽でした。

何故こんな話題になるかと言うと、実は学生時代の大のなかよしで宝塚でWEBデザイン事務所を営んでいた友が2月にオミクロンに感染し数日で重傷化し助かりませんでした。まだ61歳で私と違って元々飲酒しませんしタバコも遥か以前に止めていて元ラガーマンという健康的な肉体の持ち主だっただけに気の毒で寂しさとやはり感染の恐怖を感じました。

そんな事実を知るところの抗体も底をつくこのタイミングでの東京往復には特に気を使いましたが、意外なことに往復の新幹線はほぼ満席、都内移動のJR・小田急も特にJRは以前の賑わいを取り戻すお馴染みの混雑ぶりで、とどめは帰りの新幹線から乗り換え住吉まで乗車した窓開口が厄介な223系2000番台快速電車で「この電車は神戸まで先着します」という車内アナウンスで先頃実施されたダイヤ改正による減便の影響を思い知らされるスシ詰めの車内は恐怖でしかありませんでした。結局基本的な感染対策に心を配るしか無いと腹を括る移動でした。

さてここから本題ですが、久々に乗車した新幹線電車は往路・復路ともよくよく考えるとまだ乗ったことの無かったN700A(N700系1000番代)でした。
ネットから座席を指定して買える時代ですので、静かな付随車も捨て難いところでしたが付随車はシートピッチが僅かに詰まるTc車のみであることと、グリーン車並みの遮音床を普通車にも採用したN700Aの実力を知りたくてM2車を選択、いつものように、前後のボギーが各々振動の作用点となる鉄道車輌に於いて最も揺れが軽減される車体前後のほぼ真ん中あたりの席を取りました。
余談ですが子供の時分は、良く目にしていた自由席と指定席が混在した特ロ車の指定席には、枕カバー天面に「指定」の文字が入っていて、その指定席が車内前後のどちらかに寄せてスッキリと配置されていなくて何故か真ん中当りの4〜5列に塊として集中していることが不思議でなりませんでした。合理的な理由が存在していた訳ですね。

面積が縮小した側窓や根本的な改良が必要に思う座席の構造など気になるポイントは相変わらずなのですが、書き出すと切りが無いので先ず遮音床の印象については、フルノッチで加速する際には確かに主電動機の威勢の良いうなり音が耳に入るのですが音色自体は心地良く、ポイントや一部のジョイント通過音も全体に角が取れ遠くに聞こえるような制御が成されていて上質感もあって極めて好印象でした。
噂通りの高加速 ぶりは実感を伴いますが、車体傾斜システムの所為なのかセミアクテイブ制振装置に由来するものなのか、高速での曲線通過時の快適性向上に寄与する筈の両システムにどうも違和感しか無く、終始荒れたレール踏面なのかな?と錯覚してしまうほどの却って余計な振動が加算されていて、昔の車両とは違い振動の角そのものは丸く取れてはいるものの全般にワイルドで心地よいとはとても思えないどうした訳?の乗り味には落胆しました。

興味深いといえば興味深い車輌に変わりはありませんがいつか新幹線電車についても時間があれば総括してみたいと思います。

左腕の筋肉の腫れでカット作業に支障が生じたためコラムに充てましたが、痛みも完全に引きましたので作業を再開することに致します。
(2022.04.10 wrote)

 
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